・Skypeについて

 ある学生とのやり取りの中で、夏休み期間中の作業、「SKYPEを使ってやりませんか?」と提案された。この学生の1年先輩にあたる学生たちは、SKYPEを使って深夜遅くまで”ダベリング”をしているという話は聞いていた。また、離れて暮らす私の子どもも、友人たちとこれを活用してレポート作りをしているのは知っていた。
 私自身、このフリーソフトというか一種のSNSとも言えるだろうが、登場した時にIDを取得していた。今から確か5〜6年前のことだから、私のPCにWebカメラは装備されておらず、いつかは仕事の打合せに使うことになるだろう、といった程度の安易さからである。この新し物好きは、このFacebookもそうだったし、今、アメリカではFacebookより役立つと言われているLinkedinのIDも取得しているのだから、何か、ネットジャンキーのようだなのだが……。
 だから、SKYPEも”幽霊ユーザー”をずっと続けていたわけだ。しかし、冒頭の学生の一言で、そうか活用しなければならないのかと思い、780円のヘッドセットを購入し、ソフトウェアを改めてインストールし、Webカメラ搭載のネットブックPCで使えるように準備をした。私の子どもとの通信テストも行い、その使い勝手もなかなかなものかと納得した。
 そこまでは良かったのだが、ここにきて、余計な自主規制の思いが湧きおこってしまったのだ。Webカメラに映し出される映像、自分の顔だけならばいいが、その背景に映し出されるのはいわゆる”プライバシー”である。他人の家に招かれて行き、例えば勝手に冷蔵庫の扉を開けて中を見るなどという行為は、大いに礼儀に反する。これと同様な感覚が、SKYPEにはあるのではないかと思ったわけだ。本棚を眺めて、その人の思考回路を密かに評価する楽しみとは別の感情のような気がする。ましてや、仮にも教える立場と教えられる立場の関係にあって、プライベート空間を映すSKYPE利用は、これは全く止した方がいいだろうということなのだ。
 我が子との通信テストは、まず一言、二言、「聴こえる?」「つながってるね」と音声だけで確認、その後に子どもが「映像もつなげた方がいい?」と発した一言が、決定的であった。多分、机周りはゴミだらけ、布団は敷きっぱなしという状況が映しだされるのを避けたのだろうと。
 このあたりの問題はGoogleMapの玄関先に干す洗濯ものまで撮り込んで、映像情報としてネットに提供する是非にも繋がるだろう。はてさて、このFacebookSKYPEとの連動機能があるようだが、皆さんはどのように考えていらっしゃるのだろうか……。

(注)この話題はFacebookにアップしたものを転載しました。