★映画「止められるか、俺たちを」

監督:白石和彌/脚本:井上淳一/キャスト:門脇麦(吉積めぐみ)・井浦新(若松孝二)・山本浩司(足立正生)・岡部尚(沖島勲)・大西信満(大和屋笠)・伊藤空(高間賢治)・渋川清彦(松田政男)・音雄琢真(赤塚不二夫)・高岡蒼佑(大島渚)・寺島しのぶ(前田のママ)/配給:若松プロダクション、スコーレ/2018年 
 若松孝二へのオマージュ。60年代末から70年代はじめの混沌とした社会、政治にエロ・グロ・ナンセンスのごった煮のような状況の時代の話である。私自身、北国の地方都市からある種の憧れをもって早稲田に入ったころ、授業はまともに受けられず、デモに誘われ、セクトに誘われ、そのうちに麻雀荘の海の中に沈んでいった。80年代に入っていつしか「学生運動」の熱は冷め、バブル景気にイケイケどんどんの世の中に左翼は埋没していく。もちろんそれと一緒に右翼もいつしかその声の音量は絞られ消え失せていた。そうなのだ、拝金主義に走り、この時代の”ソーカツ”もせずに、今はたんなるキレる老人になってしまった者たちがこうした時代を作ってきたと思えば、何となく納得できる映画なのかしもれない。
映画の公式サイトは、http://tomeore.com/