●「バーチャルな世界」と「リアルな世界」

 私もこのTwitterに会員登録している。登録してすぐに、10数年、我が家の水槽で飼っていた金魚が亡くなり、また新たに飼った金魚のことを一度、呟いてみた。かなり、公開していたが、誰もフォローしてくれなかった。(フォローはされたが、広告がらみの人物、それもアメリカからのもので、小生の呟きに対する会話の成立するようなものではなかった。)
 1か月ほど前には、某政治家が二人、Twitterを利用しはじめたということで、私の方が二人のフォローをはじめてみた。都議選の前に、政治家のTwitterでの発信について、選挙戦に入ってからも発信を続けると公職選挙法に抵触しないのかどうか、呟いてみたが、誰もフォローをしてくれていない。ゴマメの歯ぎしり(笑)のようだが、気長に、私の呟きに関心を持ってくれる人物が現れるの待ってみようかと考えている。ちなみに、自分がフォローしている人物にダイレクトに呟きを聞いて(というよりは“読む”だろうが)もらう機能はついているが、これとて、限度がある。つまり、Twitterも“1対多”の単方向メディアと考えるべきなのである。ダイレクトに見知らぬ人間に呟かれても、ハタ迷惑、あるいは無視をされることの方が当然なのだ。
 もうひとつ、ネット上の問題は、発信する情報の信頼性をどこで担保するかにかかっている。つまり「顕名(ケンメイ)」(法律用語とは違う、名前を明らかにするという意味合い)であったとしても、肩書きなり、現実に多くの人々に周知しているような地位、階級、あるいは組織に属しているということの方が、一定の信頼性を持って読まれるだろうと言うことだ。2チャネルやSNSのように「匿名=アノニマス」であっても、仲間内にはいうなれば楽屋噺として人物が特定されており、その集団の枠外にいる人物にとっては、いかにその輪の中に入ろうと試みても認知されないというわけだ。秋葉原事件のK君のような思いを持つのも、不思議なことではないとも言える。
 「バーチャルな世界」と「リアルな世界」の厳然とした違い、境界を皮膚感覚でもっていないとすれば、ネット世界とは自己肥大化、あるいはGoogleやビル・ゲイツが密かに目指しているような、ある意味では「神」の領域に辿りつくことができるのではないかと錯覚させる世界ではないか。

米国発ミニブログツイッター」 速報性と気安さと… 「つぶやき」活用広がる 2009.7.19 12:27
新聞社やテレビ局などの大手メディアで、米国発のミニブログサービス「Twitter(ツイッター)」の活用が広がっている。短文で素早く発信できる速報性とライブ感がもてはやされているほか、ちょっとした「つぶやき」が醸し出す「ユルさ」が、ネットユーザーの好感度を上げてもいるようだ。
 ツイッターは、「いまなにしてる?」という投げかけに、「そろそろゴハン食べよ〜」など、140字以内の「つぶやき」を投稿する短文のミニブログ。本格的な文章が必要なく、思いついたままを投稿できる気安さが売りだ。舞台裏や楽屋話のようなやりとりに向いており、速報性も高いことから、活用するマスメディアが出てきている。
 記事とリンクしたつぶやきを発信するのは、6月下旬からツイッターを公開した毎日新聞。例えば「やったね!自己最高だ」というつぶやきの隣のリンクをクリックすると、ニュースサイト「毎日jp」が開き、ゴルフの全米女子オープン宮里藍が6位になったニュースが表示される。
 同社はまた、「毎日jp」の個々のニュースの横に、ツイッターとリンクできるボタンを設置。誰でもニュースに対してつぶやくことができるようにした。同社デジタルメディア局は「ツイッターのつぶやきで、ニュースの敷居が低くなった。いったい何のニュースだろうと興味を持ってもらえる」と強調する。
朝日新聞は、ツイッターのもう一つの特徴である「ライブ感」をフル活用している。先月行われたサッカーのW杯アジア予選の2試合で、試合の様子を中継スタイルで投稿した。
 「前半は1−0で日本がリードでしたー。アイス買ってきまーす」「攻めが粗いんじゃないの?」(6月17日の日本−豪州戦)
 こんな友人と試合を見ているようなリラックスしたつぶやきの数々が受け、中継以降、同社のツイッターを常時見るユーザーが、1500人から6000人に急増した。
 テレビ局でも、NHKが昨年6月、環境問題を取り上げた特番「SAVE THE FUTURE」で、生放送中の舞台裏をツイッターに投稿した。番組で飛行船を飛ばした場面では、「飛んでほしいですー」と制作サイドの切実な祈りが書き込まれた。近くツイッター企画の第2弾を検討しているという。
 学習院大学遠藤薫教授は「ツイッターの持つ手軽さと束縛のなさは、ネットユーザーにとって居心地のよいつながり。速報性もあるので、メディアとの親和性が高い。今後もネットユーザーを取り込むツールとして活用されるだろう」と話している。(佐久間修志)

http://sankei.jp.msn.com/economy/it/090719/its0907191228000-n1.htm